宝達志水町で39年続いたスナックを引き継いで誕生
能登・宝達志水町でゲストハウス「ちりん」を夫婦で営んでいる西(にし)といいます。この町で39年続いたカラオケスナックを引き継いで、2025年11月、新たにカフェとしてオープンしました。地域の人たちが得意な料理、技術、トークを持ち寄って曜日ごとに日替わりマスター・ママとなって運営するシェアカフェ・シェアキッチン方式のお店です。このページではカフェを作ることになった経緯や想いを書きました。ご興味ある方はご覧ください。
地元で愛された 和風スナック和(かず)

1986年に誕生した「和風スナック和」。名物ママ「なおえさん」の人柄で地元に愛され、コロナも危機も乗り越えましたが2024年能登地震以降、極端に客足が減ったそうです。ママも80歳、体力の限界。ついに引退を決意したそうです。
(写真:スナック和時代の店内)
2025年7月、私と妻は友人に連れられてたまたま行った「和」で初めてなおえさんにお会いしました。とてもかわいらしいおばあちゃんママでとてもそのお店が気に入り、1週間後にまたカラオケをしにお店に行きました。楽しく飲んで歌っての帰り際に「8月にこの店を閉めたい、引き継いでくれないか」と相談がありました。話を聞くと今年に入って閉めたかったが、お客さんからは「引き継いでくれる人を見つけてから閉めて」「カラオケはできるようにして欲しい」など要望があったそうで後継者を探していたそうです。とても切実で焦っているように見えて何とかできないかな?、と思いましたが、私たちもゲストハウスを運営しているし、友人たちも自分の事業を持っている。そう簡単には「やります」と返事はできませんでした。
ただ、39年も続けた事はすごいことだし「お疲れ様!」の意味を込めて「閉店イベントをやりませんか」と伝えたところよろこんでOKしてくれました。
閉店イベントを開催。多くのお客様が来店
8月末に2日間、仲間に声を掛け料理などを準備して閉店イベントを開催しました。私たちの周りには移住してきた友人が多くいたので声を掛けて遊び来てもらったり、ママが呼んだ地元のお客さんが来たりととても楽しい空間・時間になりました。ママもお客さんもとても楽しそうで、その時「こんな店がつぶれるのはもったいないな」と思いました。


なんとか続けられないものか、というか、ゲストハウスを運営しながら、どうやったら私たちがこの店を継続できるか?という考えになっていきました。
9月に入り、私たちが運営するものだと思っていた、とママに言われて「そんな強引に決められては困る」と反発しながら、私たちもどうやればできるのか?を検討し、物件の状態や権利状況も含めて調べて、その結果から「この状態では引き継ぐ事はできない」と伝えた事もありました。ですが、お互い何とか折り合いを見つけ出そうと話し合いを重ねました。運営に関しても、私たちのゲストハウスは週末にお客さまが宿泊されることが多いので、お店に立てるのはどれだけがんばっても平日の3日間ほど。重要な週末の営業をどうするか?がネックでした。
シェア化してお店を持ってみたい人に立ってもらう
前々から宝達志水町の特産品であるいちじくの農家さんと「いちじくを使った料理や商品を開発したい」とよく話していて、でも、そんな作業場を一から作るのはハードルが高い。シェアキッチンの様な場所があれば試験的にスピーディーに提供できるのにな、と思っていました。シェアキッチンのように、この場をシェア化して、地域のやる気のある、でも一からお店・作業場を構えるにはハードルが高く一歩がふみ出せない人に、「一日マスター・ママ」として立ってもらい、自身の得意なメニューを提供してもらってはどうか?と思いました。お店の「オーナー」は私たちで、物件の権利関係や営業許可、設備は私たちが整理・準備する。運営に関してはシェア化できるところはして、みんな無理なく、でも、やる気をもってお客さまに提供できる。そんな場所にしたらリ・スタートできるイメージが湧いてきました。
無事に物件を継承、リ・スタートに向けて準備
ママと話し合いを続けながら、最終的には土地・家屋調査のできる行政書士さんを交えながら話を進め、お互い現状を把握しながら無事契約・継承することができました。設備に関しては、まずは汚れが染みついた壁紙(たばこのヤニなど)の張替、トイレのリフォーム(洋式化)、カラオケシステムの入れ替え、老朽化したキッチン設備の入れ替え、そして大掃除を優先的に行いました。



メニューは自分たちが「得意」なもの

メニューに関しては私自身が過去にスリランカカレーなどを提供するカフェ(国内でフェアトレード輸入・卸事業を展開する「第3世界ショップ」のカフェ)で働いていた経験があり、私たちChirinが立つ日はこのカレーを主役に。またChirinで自家焙煎するコーヒーもメニューに加えました。(写真:Chirinの自家焙煎コーヒーとスリランカ風スパイスカレー)
地域の人が「得意なこと」を発揮し、「1日マスター」として逸品をご提供する、そんな運営スタイルに賛同してもらえるメンバーを募集。私たちの周りにはゲストハウスを運営する事業者が何人かいて、料理提供の経験もあるのでメニューも浮かびやすく、スタート時には2組がメンバーとして参加してくれることになりました。
とにかくスタート!
前々からママが「できるだけ早くスタートして!」と言っていました。それは憩いの場が途切れることなく継続させたいという想いがありました。私たちも優先的に整えるべきところを行い、まずは現場に立ってお客さまと話して必要に感じたものをブラッシュアップしていこう、と2025年11月12日に小さくスタート。今現在も自分たちで手直しできるところは行い、メニューも日々成長中。参加してくれるメンバーも増加中です。今後はワークショップの開催やレンタルスペースとしても運営を展開していきたいと思っています。
今まで通ったお客様はもちろん、ママ&お子さん、観光の方、移住してきた方など、あらゆる方の交流地点に。をぜひ遊びに来てください。